2014年3月21日金曜日

山形大学公開森林実習 ~雪山実習~ 後編

さて、2日目です!




まずは、スギとカラマツで観測されている樹液流速度についてロペス先生からの解説です。
ここでは、積雪深や雪解けのタイミングと蒸散が始まるタイミングが関連しているのか、また、常緑のスギと落葉のカラマツではタイミングにどの様な差があるのか、といったことを調べています。

驚くべきことに、積雪深などは蒸散とは関係がなく、結局、飽差(大気の乾き具合)と日射量で蒸散が始まるタイミングが説明できる、ということでした。


幹についている銀色のアルミホイルの様なものが分かりますか?
その中では、幹に注射針の様なセンサーとヒーターがささっていて、
幹の中を上方向に流れる水の速さ(樹液速度)が自動で測定されています。
森は緑のダムと言われたりしますが、樹木はたくさんの水を土壌から吸収し、
大気に放出しています。つまり、水を消費しているんですね。
どういう森がどのくらいの水を消費するのか、その様な知識やデータは、
どの様な森づくりをすれば水資源を安定して得ることが出来るのかを
考えるのに必要不可欠な情報ですね!
 さて、次は積雪断面調査です!

青いペンキを塗って、雪の層を観察します。
ちなみに、積雪深はおよそ2.6m!

雪の温度を10㎝ごとに測定しました。
雪の上部の方が温度が低く、地面に近づく程、0℃に近づきます。
雪の上部は大気に接しているため大気の温度に、
下部では地面に接しているため土壌の温度に近づきます。
ちなみに、この様に積雪の多い地域では、雪が断熱材となって土壌は凍りません。
一方、九大演習林がある道東では雪が少ないので、土壌が凍ってしまいます

この日はわりと暖かかったのですが、もっと寒い時期だと、
気温が低いために上部の雪温度がもっと低くなり、温度勾配が急になるとのことでした。

深さごとに雪の種類の違いを観察します。
これはザラメ雪ですね。とっても綺麗です!
(綺麗な写真が撮れず、伝えきれないのが残念!!)

この様に、積雪断面からある一定体積の雪を取り出し、重さを測ることで
雪密度を知ることができます。
雪密度は0.5g/㎝3もありました!
北海道の雪は、0.3g/㎝3程度です。やっぱり、日本海側の雪は重いですね!


午後は山歩きです!かんじきを履いて山を登ります!


最初はみなさん歩きにくい、と感じていたようですが、やはり、
雪の深いところではツボ足(特別な装具は着けないこと)では歩けません!

斜面下部はスギですが、上部に行くとだんだんとブナの森に変わっていきます。
この写真はスギなので、まだまだ下の方ですね。

だいぶ上の方まで登ってきました!
後ろに見える木は落葉広葉樹ですね。
山形大の演習林は、スギやカラマツの他には、ブナやナラ、クリが多いとのことです。

帰りはもちろん尻滑りです!
スギ林の中を颯爽と下っていきます。結構、怖そう・・・。

あ!スーパーマン!!


さて、実習メニューの最後は、Snow Ball Fight!雪合戦です!!
グル―プ総当たり戦です。
雪玉に当たった人は退場、敵陣地にあるポールを奪うか、制限時間内で残った人数の多いチームが勝ちです。

ファイッ!!


雪が深いので、足を取られ、前進するのも一苦労です。
後ろで倒れている人がいます。笑

試合を重ねるにつれ、コツをつかんでいきました!
すさまじい勢いで雪玉が飛んできます!

ちなみに、道北や道東では、水分の少ない雪なので、
雪玉を作ることができません。
優勝チームです!おめでとう!!
TA+スタッフチームも参加しましたが、惜しくも(?)最下位・・・。



3日目は、宿舎の掃除(お風呂、トイレ、キッチン全て!)をして、レポートを書いて、ごはんを食べて下山です。もちろん、1日目に来た道です。希望者は山スキーで下っていきます!

汗だくになって無事に下山。

今回の実習は、色んな大学の学生さんが集まり、一緒に食事を作り、雪山を楽しみ、勉強をしました。これも公開森林実習の醍醐味ですね。残念ながら、公開森林実習は基本的に、協定を組んでいる大学の農学部学生しか参加することが出来ません。ですので、どの大学でも、どの学部でも参加できる実習を現在企画中です!近日、情報オープンしたいと思いますので、ちょくちょく、このブログに遊びに来てくださいね!

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