2016年2月9日火曜日

酪農学園大学 生態環境総合実習

季節は冬ですが、夏の研究林実習についてご紹介いたします。

毎年、雨龍研究林で実習をしていただいている酪農学園大学の中谷先生に、酪農学園大学の実習「生態環境総合実習」をご紹介いただきました。
 
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8月31日(1日目)

まずはガイダンスです。母子里庁舎の利用方法と雨龍研究林で行なわれている調査研究の概要について、雨龍研究林の吉田先生から説明を受けました。



ガイダンスの様子
 
その後、研究林へ移動し、倒木更新や植生調査、樹種の同定法の習得および毎木調査等を行いました。

演習林内の植物の健康状態を調べるため、スパッド計を使って葉緑素量を現地で測定しました。
非破壊測定なので、同じ葉を継続的に調べることができるそうです。

天然林で毎木調査を行ないました。もう何年もかけて酪農学園大学の先輩方による
継続的な調査が行なわれており、最初は小さかった樹木も大きく育っていることが分かりました。

ピートサンプラーという土壌を採取する道具で天然林の鉛直方向の土壌構造を見ました

9月1日(2日目)

まずは、作業所前庭の環境調査測定器について説明を受けました。


母子里庁舎の敷地内には気象観測装置のほか、湿性降下物やエアロゾルの観測、
フェノロジー観測も行なわれており、どれもはじめて目にするものに学生は興味津々でした。


その後、朱鞠内湖と泥川へ移動し、水質調査や流量測定、土壌調査などを行いました。

朱鞠内湖の北岸にて、水質調査方法について説明を受けました。
 


表層水はバケツや柄杓などで採取しますが、底質を巻き上げないように懸命に手を伸ばして採水しています。



基本的な環境調査項目である気温測定も行いました。

水質は見た目には違いが分かりにくいので、簡易測定機を使って現地で計測します。
ここでは、pH(水素イオン指数)、EC(電気伝導度)、ORP(酸化還元電位)、DO(溶存酸素量)の測定を行いました。


湖沼などの水深のある場所では、鉛直方向の水質分布を調べるために
ニスキン採水器を使って水深別に採水を行いました。


採取した水試料は現地でろ過した後、大学に持ち帰り栄養塩類などの水質項目を調べました。
地中における物質の動きを知るために、湿地林内の土壌水を採取しました。
これも大学に持ち帰り、栄養塩類などの項目を調べました。

同じく地中における物質の動きを知るために、湿地林内の土壌も採取しました。

陸域からの物質輸送に大きく関わる河川水の流量観測を行ないました。

母子里庁舎横に流れている小川を使って、橋の上から河川水を採取しました。

採取した河川水試料は、現地でろ過した後、大学に持ち帰り栄養塩類などの水質項目を調べました。

また採取した河川水についてpH、EC、ORP、DOの観測も行ないました。

陸域と水域をつなぐ接点として重要な役割を果たしている河畔林の植生調査を行いました。


 
9月2日(3日目)

母子里庁舎を離れて、雨龍川~石狩川を下りながら河川調査を行いました。
3日間の野外実習でしたが、学生の皆さんは楽しく元気に実習を受けることができました。




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中谷先生、ありがとうございました!
今年の夏もまた雨龍研究林でお待ちしております!

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