2016年8月17日水曜日

北海道大学苫小牧研究林 野生動物管理実習 1〜2日目

長田です。苫小牧研究林では、7月4日〜8日に公開森林実習「野生動物管理実習」が行われました。この実習は、動物の生態情報を得るための基礎的な調査技術を習得することを目的としており、様々な動物の生態について学びます。今回は、この実習の内容について紹介させていただきます。なお、2013年に行われた実習についても当ブログにて紹介しています。2013年から変わったところもありますので、あわせてご覧いただければと思います。


この実習では、齊藤隆先生がネズミ、内海俊介先生が昆虫、そして岸田治先生がサンショウウオについて解説を行うとともに、赤外線自動撮影カメラによる林内の動物相の調査や、シカによる樹木の食痕調査など、森林と動物の関係に力点が置かれた盛りだくさんの内容となっています。この実習には、北大農学部の学生さん35名に加えて筑波大、島根大、宮崎大、琉球大から6名の学生さんが参加しました。


初日(7月4日)

苫小牧研究林に到着後、昼食をとってから研究林に入りました。初日は様々なトラップの設置作業が中心です。まず、ネズミを捕まえるためのシャーマントラップを設置します。2haの範囲に10m間隔で200個!もトラップを設置しました。

齊藤先生からシャーマントラップの設置法について説明を受けます
トラップの構造を学びます
そして、10m間隔で設置していきます
トラップの設置の仕方にもこつがあります。皆さん試行錯誤してつけていました

その後、飛翔性昆虫相を調べるために衝突板トラップを様々な場所に設置しました。林床だけでなく林冠にも設置して、昆虫群集の比較を行う予定です。

内海先生から衝突板トラップの説明を受けます
トラップを様々な場所に設置します
パチンコを使って林冠の枝に糸をかけます
糸を通して林冠の枝にトラップを吊るします

まだ作業は続きます。林内に生息する動物を撮影するために自動撮影カメラを設置しました。このカメラは、前を横切った動物を赤外線で感知し、一定時間動画を撮影します。できるだけ動物が通りそうなところにカメラを設置するのがコツです。

岸田先生から自動撮影カメラの説明を受けます
思い思いの場所にカメラを設置します

このようにさまざまな準備、設置作業をおこないました。どのような結果になるか楽しみですね。


2日目(75日)

初日につけたシャーマントラップの確認を行いました。事前情報で今年はネズミが少ないとわかっていたので、例年の倍の数のトラップをつけていたのですが、残念ながらねずみはまったくかかっていませんでした。
 次に両生類の調査です。池でサンショウウオやオタマジャクシをさがしました。

池に入ってサンショウウオを捕まえます
技術スタッフの指導を受けながら作業を行います

 午後には、サンショウウオの形態を調べました。岸田先生があらかじめ準備していた2つの池のサンプルについて データを取って整理し、それをまとめて発表を行いました。

サンショウウオの形態の違いについて発表します

さらに、夕食を食べたあとには超音波を検出するコウモリ探知機を使ってコウモリの調査を行いました。

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